日仏海洋学会津波被災復興実行委員会

小松輝久会長
小池康之会員

岩手県・宮城県復興支援(2022年7月~8月)


支援機材寄贈(岩手県8月、宮城県7月)
東日本大震災で三陸沿岸の水産業は甚大な被害を受けてから11年が経過した。 震災後直後から、岩手県水産技術センターと宮城県水産技術総合センターは沿岸漁業復興に向け水産研究を継続している。 1960年代、病気によるカキ大量斃死のため存亡の危機を迎えていたフランスのカキ養殖を救うため、 当時、日仏海洋学会会員が中心となり、三陸からフランスに送ったマガキ稚貝を送り、 フランスのカキ養殖を危機から救った。 これらの経緯を踏まえ、日本とフランスの間を取り持つ日仏海洋学会は、東日本大震災直後から、 三陸沿岸のカキ養殖などの復興支援が必要と考え、 「津波で被災した三陸沿岸の養殖漁業の復興のための日仏海洋学会実行委員会」を組織した。 フランスの仏日海洋学会、フランス水産養殖振興協会などの支援を合わせて、 2011年夏に、両県の水産技術センターおよび宮城県漁業協同組合に、 種ガキ採取に必要なカキ幼生の密度を計測するための実体顕微鏡とプランクトンネットを寄贈した。 しかし、長期的な沿岸漁業の復興に資することも重要と考え、 2022年夏に、再度の水産振興に関わる研究用機材の寄贈を岩手県と宮城県に申し出た。 両県の水産技術センターからは、それぞれ防塵防水電子天秤の希望が出されたことから、それらを購入し、贈呈した。 コロナ禍であるため前回のように直接手渡しすることは出来なかったが、 側面に「仏日海洋学会・フランス水産養殖振興協会・日仏海洋学会」のロゴ入りステッカーを貼った電子天秤を各センターに1台ずつ寄贈した。 これに対し、岩手県水産技術センター 神康俊所長および宮城県水産技術総合センター 浅野勝志所長から御礼状が届けられた。


岩手県水産技術センターWEBページ

岩手県養殖漁業復興支援(2011年11月)

趣旨(2011年11月)
支援機材寄贈(2011年11月11日)
岩手県水産技術センターは釜石市の南東部、釜石湾奥部に位置するため、津波の被害を受け、 屋外の飼育施設のすべてと研究棟1階部分が浸水を受け、研究室、飼育室、分析室などの施設設備に多大な被害を被った。 学会からの支援を申し出たところ、宮城県と同様に顕微鏡(生物・実体各1台ずつ)の申し出があった。 11月11日、荒川久幸会員がセンターに顕微鏡を搬入、小松輝久会員と小池康之会員が寄贈式に出席、 小松会員から煙山副所長に「目録」が寄贈された。 ほかに、「寄付趣意書」と達増知事宛の「寄付申込書」を手渡した。 これに対し、煙山副所長から、「大変立派な顕微鏡を寄贈いただき、心より感謝致します。 地域振興センター、漁協とともに有効に使わせていただきます。」との挨拶があった。 なお、地元の記者クラブから岩手放送(テレビ局)、河北新報社・岩手日報社・釜石新聞社の取材を受けた。 岩手放送のカメラの前で、小松会員がフランス側の好意と寄贈趣旨の説明を行い、煙山副所長から新聞記者に対し、県のセンター・地域振興センター傘下の漁協における顕微鏡の利用方法などの説明がなされた。
岩手県水産技術センターWEBページ(贈呈式)
河北新報ニュース(カキ養殖に支援の輪)

三陸の養殖漁業復興への日仏海洋学会の貢献:義援金のお願い(2011年9月)

義援金趣旨(2011年9月)
仏日海洋学会およびフランス養殖業発展協会から送金された義援金をもとに、7月に宮城県カキ養殖復興支援を行いました。 フランスの研究者に呼応して日本でも、日仏海洋学会会員を中心に広く義援金を募ります。 ご協力のほどよろしくお願い致します。
募金期間(第一次)
2011年12月末まで

宮城県カキ養殖復興支援(2011年7月)

趣旨(2011年7月)
支援機材寄贈(2011年7月29日)
小池康之会員が宮城県水産技術総合センターおよび宮城県漁業協同組合(共に石巻市)を訪ね、 顕微鏡2式とプランクトンネット2点を寄贈した。 岩手・宮城・福島各県の水産技術総合センターおよび栽培センターはことごとく被災し、 研究・実験資材の大半を流出,この状況下でカキやホタテの採苗最盛期を迎えたので、 各地の試験場から研究資材を借用してしのいでいる。 現場では顕微鏡は1台でも多い方が助かるので今回の寄贈は大変ありがたく、 これらの機材は今シーズンだけでなく将来的にカキ・ホタテ・ワカメ・ノリなど多方面に役立てるとのことであった。 また,今年はカキ幼生が例年にない大量発生で漁業者は大変喜んでおり。今後の採苗に期待が持てるとのことであった。
宮城県WEBページ(贈呈式)
三陸の養殖漁業復興支援